お墓の種類記事

納骨堂とは?主な種類について解説

大切な家族が亡くなったとき、従来は先祖代々のお墓にご遺骨を埋葬するのが一般的でしたが、近年では納骨堂へ安置し供養してもらうという方法が増えています。

そこで今回の記事では、そもそも納骨堂とは何なのか、従来のお墓への埋葬とは何が異なるのかについて詳しく解説します。また、納骨堂の主な種類についてもピックアップして紹介しますので、納骨堂選びの参考にしてみてください。

 

納骨堂とは

納骨堂とはその名の通り、ご遺骨を安置しておくための場所のことを指します。従来、日本ではご遺体を火葬した後にご遺骨を土に埋葬し、墓石を建てるのが一般的でした。

しかし、お墓を建てるまでに時間を要したり、そもそも納骨までご遺骨を収蔵しておく場所を確保することができないケースもあったことから、昭和初期の頃には一時的に安置しておくために納骨堂が活用されていたのです。

しかし、昭和後期から平成の時代にかけて日本人の生活様式は大きく変化し、従来のように3世代、4世代にわたって多くの家族が同じ家に住み続けることは少なくなりました。

結果として核家族化が進み、故郷でお墓の維持管理を担う後継者が減少しています。そのため、従来のようにお墓にご遺骨を埋葬するのではなく、納骨堂に収蔵しお墓の代わりのように利用する人が増えているのです。

このように、納骨堂とは時代背景や人々の求めるニーズに応じてその役割を担ってきた歴史があります。

ちなみに、納骨堂は仏教以外にも、神道やキリスト教などさまざまな宗教においても同様の役割を果たす施設が存在しています。

納骨堂の種類

納骨堂はさまざまな団体によって管理されており、管理者によってもいくつかの種類に分類されています。

今回は代表的な4つの種類について紹介します。

 

①寺院納骨堂

その名の通りお寺が管理している納骨堂です。一般的には寺院の施設内に納骨堂があり、日常的な供養はもちろん法要などについても寺院に任せることができます。

お寺への納骨と聞くと檀家でなければいけなかったり、宗派が異なっているため申し込みができないのではないかと不安に感じる人も多いでしょう。

たしかにこれらの条件が提示されるお寺もあるのですが、現在ほとんどの寺院ではそのような条件がなくとも利用できるケースが増えています。

数ある納骨堂のなかでも、もっとも安心して任せることができ、かつ利用者も多いのが寺院納骨堂の特徴といえるでしょう。

②公営納骨堂

公営納骨堂は主に自治体が管理している納骨堂です。

民間の団体が運営している納骨堂よりもリーズナブルな料金で利用できるメリットがあるほか、自治体が管理していることもあり安心して任せられます。

しかし、公営納骨堂は全ての自治体に必ず存在するものではないほか、人気の高い納骨堂になると抽選が行われるケースもあります。

公営納骨堂はとにかく料金を安く抑えたい方はもちろんですが、近くに納骨堂がなく収蔵場所の確保が困難な場合にもおすすめです。

③民営納骨堂

民営納骨堂は宗教法人や社団法人、財団法人などが運営している納骨堂です。

寺院納骨堂や公営納骨堂などに比べて料金は高めに設定されていることが多いものの、さまざまなニーズに合わせて個性豊かな納骨堂が存在しています。

民営納骨堂はセレモニーホールと同一または隣接の施設内に立地しているケースが多く、法事や葬儀なども現地で開催できるため手間がかかることもありません。

また、基本的に宗教や宗派を問わず利用できるのも大きなメリットといえるでしょう。

万が一寺院納骨堂などで条件に合わなかったり、公営納骨堂の抽選に漏れてしまったとしても民営納骨堂に相談してみると解決できる可能性は高いはずです。

④合祀納骨堂

寺院納骨堂や一般の民営納骨堂の多くは、納骨のスペースが個別に設けられているのが一般的ですが、合祀納骨堂の場合は合同でご遺骨を収蔵するようになっています。

4民営納骨堂が運営していることが多く、永代供養墓や合同供養墓とよばれることもあります。

寺院納骨堂などとは異なり、一度収蔵すると遺骨を返還することはできないため注意が必要です。

家族と話し合ったうえで決めておくことが大前提

納骨堂は従来のお墓とは異なり、日々の管理も不要で適切に供養をしてくれるためニーズが高まっています。

また、墓石を新たに建てるよりもはるかにリーズナブルであることも人気の秘密といえるでしょう。

今回紹介したように、一口に納骨堂といってもさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。

費用や自宅からの距離はもちろんですが、参拝可能な日の条件や納骨スペースなど、複数の条件を比較しながら最適なところを選ぶようにしましょう。

また、当然のことながら故人のご遺骨の埋葬は家族と十分に話し合ったうえで、全員が納得できるようにしなければなりません。

もし故人が生前に希望していた方法や場所があるのであれば、それも最大限に尊重することが大切です。