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納骨堂のメリット・デメリット

納骨堂のメリット・デメリット

都心部を中心に利用者が増えている納骨堂。

従来のお墓とは異なり、天候に左右されず参拝できるほか管理の手間もかからないため人気を集めています。

しかし、実際に納骨堂を利用している人のなかには、それ以外にもさまざまな理由によって選ばれていることが分かります。そこで今回は、納骨堂のことをより詳しく知っておくために、納骨堂のメリットやデメリットについて紹介していきましょう。

納骨堂の特徴

 

そもそも納骨堂とは、ご遺骨を収蔵しておくための施設です。

通常、ご遺骨はお墓に埋葬するのが一般的ですが、何らかの事情によって先祖代々のお墓がなかったり、そもそも遠くの場所にあってお墓参りが難しい場合などに納骨堂を利用する人が多いです。

本来、納骨堂はお墓にご遺骨を埋葬するまでの一時的な期間のみ保管する目的で作られたのですが、時代とともにその役割も変わってきました。現在では核家族化が進み、地元のお墓に参拝して日常的に供養をすることが難しい場合など、お墓から納骨堂へご遺骨を移すケースもあるのです。

納骨堂は寺院や自治体、宗教法人などさまざまな団体が管理・運営しており、予算や立地などさまざまな条件に応じて選ぶことができます。

一般的には墓地が確保しやすい地方よりも、都心部に住んでいる人のほうが納骨堂のニーズが高い傾向にあります。

納骨堂のメリット

ここからは、今回の本題である納骨堂のメリットとデメリットについて解説していきましょう。まずはメリットについて2点紹介します。

雨に濡れずに参拝できる

納骨堂の最大のメリットは、屋内にご遺骨が保管されているため参拝の際に雨に濡れる心配がないということです。

墓地の立地や整備状況によっても異なりますが、お墓が密集した場所では水たまりやぬかるみができ、足元が汚れてしまうことも多いです。

また、お盆やお彼岸などの時期には傘をさした人同士がすれ違うのも苦労するほど狭いため、快適にお墓参りをすることは難しいものです。

しかし、納骨堂であればそのような心配も不要で、いつでも快適に参拝ができます。

管理の手間がかからない

お墓を建てた際に苦労するのが、お墓周辺の管理についてです。寺院や霊園によっては墓地の草むしりを行ってくれるところも多いですが、墓石の管理や清掃までは対応していないことがほとんどです。

適切な管理をしていないと、墓石も劣化してくるため注意しなければなりません。

しかし納骨堂であれば、そもそも墓石が存在しないため日常的な管理は一切不要。

日々の供養も納骨堂側で行ってくれるため、仕事が忙しく時間が取れない人にとっても安心です。

お墓に比べてコストが安い

納骨堂は墓石が必要ないため、単純に考えてその分の費用も少なくて済みます。

もともと地元に先祖代々のお墓が存在しているのであれば問題ありませんが、新たにお墓を建てるとなると数百万円単位の費用がかかってしまいます。

しかし、納骨堂であればほとんどが100万円以下に抑えることができ、経済的に余裕がない場合であっても安心です。

コストの安さを最重視するのであれば、民間の団体が運営している納骨堂よりも自治体が運営している公営納骨堂がおすすめです。

全ての自治体に存在するものではありませんが、数十万円程度の予算で対応できるため経済的メリットは大きいです。

納骨堂のデメリット

次に、納骨堂のデメリットとして考えられるポイントを2点紹介します。

周囲の理解を得られないこともある

納骨堂は利便性やコスト面においてメリットが大きい反面、理解を示してくれない人がいることも確かです。

特に先祖代々のお墓があるにもかかわらず、納骨堂へご遺骨を移動する場合などは、親戚や家族内からも反対される可能性があるでしょう。

そもそも納骨堂の存在や役割を理解していない人も多いため、何らかの事情があって納骨堂に移動しなければならない場合は、丁寧な説明をする必要があります。

納骨堂に収蔵するかお墓に埋葬するかといった選択肢は、そもそも個人の価値観に影響されるところも大きいです。

そのため、家族や親戚などとじっくりと話し合ったうえで決めることが何よりも重要です。

参拝できる時間や日時が制限される

納骨堂の物理的なデメリットを挙げるとすれば、お墓とは異なり参拝できる時間帯や日時が限定されることが挙げられます。

納骨堂を運営している団体によっては365日対応しているところも多いですが、屋内施設である以上、定休日や臨時休館の場合もあるため注意が必要です。

お墓に比べてメリットが多い納骨堂

今回紹介してきたように、納骨堂は従来のお墓に比べてさまざまなメリットがあることが分かります。

しかしその一方で、人によっては納骨堂へご遺骨を収蔵することに反対するケースも出てくると考えられます。

物理的なメリットだけで判断するのではなく、家族や親戚と良好な関係を維持していくためにも、しっかりと話し合ったうえで双方が納得する形で決めることが大切です。