納骨堂を選ぶときのポイント
都市部を中心に全国に増えている納骨堂ですが、さまざまな種類があり選ぶのに苦労している人も多いのではないでしょうか。
費用が高いからといって必ずしも良いとは限らず、ニーズに合った納骨堂を選ぶことが何よりも重要です。
そこで今回の記事では
納骨堂を選ぶ際にどのような点に注意すれば良いのか、いくつかの事例を踏まえながら詳しく解説していきます。
運営している団体
納骨堂は主に寺院や自治体、社団法人や宗教法人などによって運営されており、運営元によってもさまざまな特徴や個性があります。
まず、寺院が運営している納骨堂の場合、日々の供養やご遺骨の管理なども丁寧に行ってくれるため安心感があります。
納骨堂以外にも霊園や墓地を運営しているところも多く、はじめは納骨堂に収めるものの、ゆくゆくは墓地にご遺骨を埋葬したいと考えている方にとってもメリットは大きいでしょう。
一方で、あまり予算が確保できない場合は自治体が運営している公営納骨堂がおすすめです。公共性の高い施設のため、他の納骨堂に比べるとはるかに費用が安く抑えられることも多く、場合によっては数十万円程度に収まる納骨堂もあります。
華やかな内装や便利な設備など機能面にこだわる方であれば、一般企業や社団法人などの団体が運営している納骨堂がおすすめです。
寺院納骨堂や公営納骨堂にはない付加サービスなども充実しているほか、セレモニーホールとも隣接しているケースが多いため、法要などを執り行う際の準備も簡単です。
自宅からの距離や立地
納骨堂は日々の供養を家族に代わって行ってくれますが、お盆やお彼岸などのタイミングで訪れることを考えると、自宅からの距離や立地も重視したいところです。
あまりにも自宅から距離が離れていると、お墓参りに出かけること自体が億劫になってしまいがちです。
故人を偲び、常に身近な存在として見守ってもらうためにも、できるだけ自宅から通いやすい納骨堂を選ぶことが重要といえるでしょう。
合祀式か個別式か
納骨堂には大きく分けて合祀式と個別式の2種類が存在します。これは一言で表すと、ご遺骨をどのように納骨するかという違いであり、合祀式の場合は複数のご遺骨と共同で納骨するのに対し、個別式はお墓と同じように一人または家族ごとに納骨するものです。
合祀式は永代供養墓とよばれることもあり、一旦合祀式として納骨された後はご遺骨の返還はできません。
一方で、個別式の場合はお墓を建てる予算や場所が確保できない場合などに利用するケースが多く、お墓の代わりに納骨堂内に専用のスペースを確保する形で利用されます。
合祀式の良いところは費用を格段に抑えられる点であり、さらに管理費など継続的に支払う費用も発生しません。
また、宗教や宗派に関係なく利用できるため、子どもや親戚などに金銭的な迷惑をかけたくないなどの理由で、あえて生前に合祀式での納骨を希望する人も多いようです。
個別式にもさまざまな種類がある
納骨堂選びにおいてはほとんどの人が個別式を選択する傾向にありますが、一口に個別式といっても実はさまざまな種類が存在します。
なかでも代表的なものを4つご紹介しましょう。
ロッカー式
納骨堂のなかでもっとも一般的なのが、ロッカー式とよばれるタイプです。その名の通りロッカーのように複数のボックスが並んでいて、そこにご遺骨が収蔵されています。大規模な納骨堂から小規模な納骨堂まで立地を問わず作れるため、選択肢も非常に多いです。
仏壇式
ロッカー式に次いで多いのが仏壇式の納骨堂です。その名の通り同じ形や大きさの仏壇がずらりと並んでいて、その下部にご遺骨を収納できるスペースが作られています。ロッカー式と比較しても一つあたりのスペースが広いのが特徴で、寺院納骨堂に多く採用されています。
機械式
都市部において近年増えているのが機械式の納骨堂です。機械式駐車場のように所定の番号やカードなどで認証を行い、ご遺骨を自動的に移動させる仕組みを採用。参拝する場所はあらかじめ決められているため、限られたスペースのビルや建物内でも有効に活用できるメリットがあります。ただし、設備投資やメンテナンスにもコストがかかるため、他の種類に比べても料金は高額になりがちです。
墓石式
墓地と同様に墓石を建て、その中にご遺骨を納骨するタイプが墓石式です。納骨堂としては珍しいタイプで、墓石を設置するスペースも必要になるためコストも高額になりがちです。納骨堂とお墓それぞれのメリットを兼ね備えたタイプで、予算に余裕があればぜひ検討してみるのも良いでしょう。
複数の納骨堂を比較してみる
今回紹介してきたように、納骨堂にもさまざまなタイプが存在することが分かります。立地や運営元などさまざまなポイントが挙げられますが、もっとも重要なのは複数の納骨堂を比較して検討することです。家族や親戚ともしっかりと相談したうえで、最適な納骨堂を探してみてください。