一般的に「お墓」と聞くと、墓石があって先祖代々のご遺骨が眠っている墓地をイメージする方が多いと思います。
しかし、じつはこれ以外にもお墓にはさまざまな種類が存在していることをご存知でしょうか。
今回は、お墓にはどのような種類のものがあり、それぞれどのような特徴があるのか、どのような人に適しているのかについても詳しく解説していきます。
現在、家族や親族のお墓を検討している方はもちろん、終活のために自分のお墓を選びたいと考えている方もぜひ参考にしてみてください。
継承墓(一般墓)
継承墓は一般墓ともよばれ、いわゆる私たちがイメージする先祖代々のお墓のことを指します。
一人ひとりの墓石ではなく、何世代にもわたって受け継がれてきた家族のためのお墓ともいえる存在です。
継承墓は墓地の一角に家ごとの墓石が建てられており、住宅地のように隣り合わせになる他の家との境界線は柵などで囲われているのが一般的です。
自治体や集落などが管理している共同墓地であれば管理費なども安価で済むほか、所定のスペース内に収まるものであれば墓石も自由にデザインできるのも大きな特徴のひとつ。
なかには家業にちなんだ墓石を建てるケースもあり、個性を出しやすいタイプのお墓ともいえます。
継承墓は宗教によっても自由にデザインでき、たとえばクリスチャンの家系であれば洋型の墓石も多く存在します。
ただし、墓地を管理している団体や自治体などによっては、お墓を建てる際の墓石のデザインや大きさ、高さなどに制約が設けられているケースもあるため事前に確認が必要です。
個人墓
先祖代々にわたって埋葬する継承墓とは異なり、一人ひとりに専用の墓石を建てて埋葬されるのが個人墓とよばれるものです。
生前大きな功績を残した著名人などの墓石として建てられるケースが多く、墓石のデザインも個性に富んだものがあります。
個人墓を建てる場所として、その人の家族が埋葬されている継承墓の隣またはその付近に建てられることもあれば、全く異なる場所に建てられることもあります。地元以外でその人との関連が強い場所や、生前よく訪れていた場所など、立地の由来はさまざまです。
特に、著名人など社会に大きな影響力を与えた故人の場合、その人の死後も多くの人がお墓参りに訪れることがあります。
そのため、あえて家族とは別の場所に個人墓として埋葬しているケースが多いのです。
夫婦墓
夫婦墓とはその名の通り、夫婦専用のお墓として建てられるものです。
たとえば、2人の間に子どもがおらず代々にわたって引き継いでいくことを前提としない場合や、生前夫婦の強い希望によって2人専用の墓地に埋葬することになったなど、さまざまな事情によって建てられることが多いです。
しかし、夫婦墓の場合、子どもや孫の代にわたって管理しきれないケースも出てくるため、多くの夫婦墓は一定のタイミングでご遺骨が墓地から引き上げられ、その後合祀されるケースが一般的です。
「一定のタイミング」とは三十三回忌、五十回忌など期間もさまざまで、墓地の管理者の意向や取り決め、ルールによって制定されています。
ただし、一般的な継承墓とは異なり、夫婦墓は特殊な形態での埋葬であることに変わりはありません。
そのため、そもそも夫婦墓を建てることができないと定められている霊園や共同墓地もあり、事前に確認が必要です。
共同墓
継承墓や夫婦墓は血縁者と一緒に埋葬されるお墓ですが、これらとは異なり家族でも親戚でもない人と一緒に埋葬されるお墓が共同墓とよばれるものです。
血縁者以外と埋葬されると聞くと「無縁墓地」のようなものをイメージする方もいるかもしれませんが、必ずしもそのようなお墓だけとは限りません。
たとえば生涯独身で近親者もいなかったため、同じ境遇で過ごしてきた仲間と同じお墓に入りたいと考える人も存在します。
そのような状況にある人のために、たとえば老人介護施設などが専用の共同墓を建てることもあります。
ちなみに、共同墓も一般的な継承墓とは異なり、特殊な埋葬形態となるため墓地や霊園によっては共同墓を建てられないケースも存在するため、事前の確認は必須です。
樹木葬
これまで紹介してきたお墓は、いずれも墓石を建てて埋葬するものですが、じつはこれ以外にもユニークなお墓が存在します。
樹木葬とよばれる埋葬方法は、その名の通り墓石を建てるかわりに樹木を植えて埋葬するというものです。
墓石を購入する必要がないため埋葬費用を安く抑えることができるメリットがありますが、樹木葬に対応している霊園や墓地は決して多くありません。
私有地などにご遺骨を埋葬することは法律で禁止されており、あくまでも埋葬できるのは墓地のみ。
そのため、樹木葬を検討する場合は対応している霊園を探すのにも労力を要します。
納骨堂
故人墓や夫婦墓、共同墓などの特殊なお墓は対応できる霊園も限られてしまいますが、そのような悩みを解決してくれるのが納骨堂とよばれるものです。
近年納骨堂は一般の方々への認知度がどんどんと増えて来ており、今後最もポピュラーなお墓になるのではと言われています。
納骨堂とはその名の通り、ご遺骨を土のなかに埋葬するのではなく、屋内に安置しておくための施設。そのため、墓石を建てる必要がなく管理も容易で維持しやすいメリットがあります。
もし霊園のルールで特殊な埋葬が難しいと断られた場合でも、納骨堂であれば個別のニーズに応じて柔軟に対応してくれるところも多いため役立ちます。
もちろん、一般的な継承墓であっても、墓地の区画がなく困っている場合や、墓石が高く予算内に収まらないといった悩みを解決してくれます。
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家族のあり方は時代とともに変化しており、さまざまな生き方を選択する人が増えています。
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